episteme
SCIENCE STORY 04

目元印象の鍵
「クマ」の原因にせまる

清水 崇

ロート製薬 基礎研究開発部

素材・基盤技術グループリーダー

1909年に目薬を発売して以来、
100年以上にわたり様々な目の研究に取り組んできました。

その成果は目の健康を支えるだけでなく、
目元の美容の研究開発にも活かされています。

お客様がどんな目元悩みを
お持ちなのか。

私たちが実施した調査ではどの年代でも目元悩みの上位に「クマ・くすみ」が上がりました。
カウンターでも「クマがあるせいで疲れて見られる」
「コンシーラーで隠そうとしても目元がよれてしまう」というお声をいただくと聞いています。

一口に「クマ」と表現しても実はその症状も原因も様々。
私たちは美容皮膚科アオハルクリニックとの共同研究の結果、クマ症状の評価と解析を行い
約半分のクマが『血管型』であることが確認できました。

目元の皮膚はわずか0.6mm程度しかなく、
さらに他の部位よりコラーゲンやエラスチンなど真皮の組織の量が少ないため、
皮膚の下に張り巡らされた血液の色が目立ちやすくなります。
これらのことから、血流が滞ると血管型のクマとして現れる原因になると考えられます。

血管強化に重要な細胞
「ぺリサイト」

そこで私たちは目の網膜血管にも存在し、血管強化に重要な細胞「ぺリサイト」に着目。
「ペリサイト」は毛細血管を収縮・弛緩させることにより血流量調整を行い、
数が減少すると血流が滞ることが知られています。

ぺリサイトを増殖することで血管を強化し、
目元の血流を潤滑にすべく独自のコンプレックスを開発しました。

私たちは今後も目のプロフェッショナルとして、
様々な目元悩みに対する研究をしていきたいと思っています。