episteme
SCIENCE STORY 01

難病治療の知見で挑む
肌再生への挑戦。

石井 強

ロート製薬 基礎研究開発部

部長

ロート製薬は再生医療を通じて、今の医療技術では対応できない難治性の疾患で悩む人に、
新しい治療方法の提案をするべく日夜研究を続けています。

この難治性は、「肌の悩み」にも通ずるもの。
化粧品や医薬が進歩しても、加齢に伴う肌症状は多くの人が抱え、解決出来ていない現象です。

ロート製薬は肌のエイジングという誰もが不可避の難題に対し、
「再生医療=自然に再生できない体の組織や臓器を再生させ、機能回復させることを目指す医療」を
応用して追求
しています。

再生医療の鍵を握ると
言われるのが「幹細胞」

幹細胞には2つの特出した能力があります。
1つは自分と全く同じ細胞を複製することができる能力。
これにより長期にわたり幹細胞を維持することができます。

もう1つは様々な種類の細胞へ分化(=変身)する能力で、
病気やケガで組織がダメージを受けても幹細胞が新しい細胞に変化し、
ダメージ部位を再生できると考えられています。

幹細胞には骨髄由来幹細胞など様々な種類がありますが、
その中でもロート製薬が着目しているのは「脂肪由来の幹細胞」。
皮下組織に存在し、再生医療分野においては
糖尿病や心筋梗塞など難治性の疾患に対する治療への適用が試みられており、
肌においては様々なタンパク質、酵素、成長因子を出すことがわかっています。

脂肪幹細胞の多様な働きを研究

ロート製薬は再生医療研究に取り組んでいたことで、
この脂肪幹細胞の可能性にいち早く魅力を感じ、研究をはじめました。

脂肪幹細胞は多様な働きにより組織をも再生する力をもつと期待されおり、
スキンケアにおいても皮膚そのものをつくり変えることができる、
従来のアプローチとは異なる未来型のエイジングケアが叶うのではないかと考え、
そしてついに脂肪幹細胞が肌再生の鍵となる事実へたどりつきました。